「遺言書」と聞くと、”財産をどう分けるかを書くもの”というイメージが強いかもしれません。
もちろん、それも大切な役割です。
でも実は、遺言書には「家族への想い」を残すこともできます。
普段は照れくさくて言えない「ありがとう」「お世話になりました」。
そんな言葉を伝えるのも、遺言書の大切な役割のひとつです。
遺言書は「財産の分け方」だけではありません
遺言書には、誰に何を相続させるかを書くことができます。
ですが、それだけではなく、自分の気持ちや想いを文章として残すこともできます。
特に、
・家族への感謝
・介護してくれた人への想い
・なぜその内容にしたのか
などを残しておくことで、のこされた家族の気持ちが救われることもあります。
「付言事項」とは?
遺言書には、法律的な内容とは別に、自由にメッセージを書くことができます。
これを「付言事項(ふげんじこう)」といいます。
例えば、
・「家族みんな仲良く過ごしてください」
・「介護してくれてありがとう」
・「財産をこのような分け方にしたのには理由があります」
といった内容です。
法的な効力はありませんが、想いを伝える大切なメッセージになります。
想いを残すことで、争いを防げることも
相続では、”財産の額”だけでなく、気持ちのすれ違いが争いの原因になることも少なくありません。
「どうしてこういう分け方なの?」
「自分は大切にされていなかったのかな」
そんな不安や誤解が生まれてしまうこもとあります。
ですが、本人の言葉で理由や感謝が書かれていることで、家族が納得しやすくなる場合があります。
元気なうちだからこそ、伝えられること
遺言書は、”死の準備”ではなく、”今まで支えてくれた人へのメッセージ”でもあります。
「まだ早い」
そう思う方も多いですが、元気なうちだからこそ、自分の想いをきちんと残すことができます。
遺言書に添える「付言事項」例文集
家族全員へ
家族みんなが支えてくれたおかげで、穏やかな人生を送ることができました。
本当にありがとう。これからも仲良く過ごしてください。
配偶者へ
長い間、いつもそばで支えてくれてありがとう。
感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも無理をし過ぎず、身体を大切にしてください。
介護してくれた子へ
忙しい中、私のために時間を使ってくれてありがとう。
あなたにはたくさん助けてもらいました。
感謝の気持ちを込めて、このような内容にしました。
相続割合に差をつけた場合
今回、このような分け方にしたのには理由があります。
決して誰かを嫌っているわけではありません。
それぞれの事情を私なりに考えて決めました。
どうか理解してくれたら嬉しいです。
子どもだちへ
あなたたちが元気でいてくれることが、私にとって何より幸せでした。
困ったときは、お互い支えあってください。
孫へ
一緒に過ごした時間は、私にとって大切な思い出です。
これからも、自分らしく元気に成長してください。
兄弟姉妹へ
これまで支えてくれて、本当にありがとう。
たくさん迷惑もかけました。
感謝しています。
シンプルに気持ちを伝えたい場合
みんなへ。
今まで本当にありがとう。
たくさん幸せをもらいました。
どうか穏やかに、仲良く過ごしてください。
NGになりやすい付言事項とは?
付言事項は家族への感謝や想いを伝えられる大切なメッセージです。
ですが、書き方いよっては、かえって家族を傷つけたり相続トラブルの原因なってしまうことも・・・
ここでは注意したい例をご紹介します。
特定の相続人を強く責める内容
例:「長男は何もしてくれなかった」
「娘には失望していた」
こうした内容は、読んだ家族の感情を大きく傷つけてしまいます。
遺言書は亡くなった後に家族が読むものです。
感情的な言葉は、争いの原因になることもあるため注意が必要です。
他の家族への不満ばかり書く
例:「親族とは関わりたくない」
「みんな冷たかった」
不満を書くことで、のこされた家族が強いショックを受ける場合があります。
想いを伝えるなら、できるだけ前向きな表現を意識した方が、穏やかに気持ちが伝わりやすくなります。
理由を書かずに差をつける
例えば、一人だけ相続割合が少ない場合、理由が書かれていないと
「なぜ?」「嫌われていたの?」と誤解につながることもあります。
差をつける場合は、感謝や事情をやわらかく伝えることで、家族の受け止め方が変わることもあります。
法律的に誤解を招く表現
例:「この内容には絶対に逆らわないこと」
「異議を言うものには相続させない」
書き方によっては、法的効力があるように誤解されることがあります。
付言事項は、あくまで”想いを伝える部分”です。
法的な内容とは分けて考えるころが大切です。
まとめ
付言事項は家族への想いを伝える大切なメッセージです。
だからこそ、”感情をぶつける場”ではなく、”気持ちを穏やかに伝える場”として書くことが大切です。
不安がある場合は、専門家へ相談しながら作成すると安心です。
「何を書けばいいのかわからない」
「自分の場合は必要なのかな?」
そんなときは、お気軽にご相談ください。
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